先日のNEWTの株価急落にみる、BDC銘柄を保有するリスクについて
こんにちは。
港区ちいかわです。
先日のNEWT(ニューテック・ビジネス・サービシズ、BDC銘柄の一種)の例にならいBDCに着目した記事になります。
まずそもそもBDCとはなんなのか、どういうビジネスモデルをしているのかについてまとめております。
BDCの説明は以下の通り。
- BDCとはBusiness Development Companyの略称で、米国において1940年投資会社法(Investment Company Act of 1940)を根拠法として設立された中堅企業や新興企業等の事業開発を金融面及び経営面からサポートする投資会社のことです。
- BDCは、1980年に、中小及び新興企業への資金供給等を促す目的で誕生したもので、形態はクローズド・エンド型のファンドであり、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック証券取引所(NASDAQ)に上場しています。
またBIZD(ヴァンエック・ベクトルBDCインカムETF)、というBDC用のETFも存在します。(MVIS米国事業開発会社(BDC)指数の価格および利回り実績(手数料・費用控除前)にほぼ連動する投資成果を目指す米国籍のETF)
なお日本にもBDCへの投資信託は存在はします
・米国ハイ・インカムBDCファンド(毎月決算型)(三井住友アセットマネジメント)
・米国ハイ・インカムBDCファンド(年1回決算型)(三井住友アセットマネジメント)
・インデックスファンドBDC(毎月分配型)(日興アセットマネジメント)
かぶまじんもコロナショックでARCC、HTGC、ORCC、MAIN、NEWT等のBDC銘柄を拾い集めていましたが、昨年の冬にすべて売却いたしました。理由は今回のようなリスクが大きいこと、また私自体金融業への投資は世の中にとってあまり効率的、投下資本利回りが低いのではと考えているからです(あくまで主観ですが、ものつくりのように日常での恩恵を感じにくく、他人の利ザヤをとり、そんなに付加価値を生み出していないようなビジネスモデルはあまり好感しておりません)。
ただ、なんといっても利回りがいいですからね。米国のBDC銘柄は、ほとんどが配当利回り「10%」を超える高配当株になります。MAINなんか毎月配当があり、配当好きな人、よりインカムゲインを得たい人には非常に魅力的です。
日本の銘柄だとFPG(7148)とかが近いんですかね、まあこちらは航空機リースが主たる事業なのでコロナの影響を被って大減配していますが、米国のBDCは様々な事業に投資しているので業界ごとで見ると事業リスクは限定的です。
なんでこんなに高配当なのかというとBDCは、利益の90%以上を投資家への配当にすることによって、法人税を免除することができるからです。
これが大きいんですよね。
企業にも株主にとってもウィンウィンです。
さて、今回のNEWT
こちらが8月3日に大暴落しています。
理由はナショナル・バンク・オブ・ニューヨーク・シティを買収する、このアナウンスがあったからです。
さらにこの買収によりNEWT(ニューテック・ビジネス・サービシズ)はBDC銘柄ではなくなり、銀行業(HC:Holding company)へと転換する予定です。
今期分(FY2021)の配当は当初のアナウンス通り支払われるそうですが(買収完了も来年以降にはなるでしょう)、BDCでなくなると、利益の9割を配当金として支払う必要がなくなるので、減配の可能性が高くなります。というか、下記の記事を見る限り多分減配です。
さっそくのダウングレード
これだから個別株は怖いですね。
BDC銘柄は高配当ということで日本人の皆様には縁?好まれていた銘柄でした。
確かに暴落時に掴むと非常においしい銘柄でもあります。
https://freetonsha.com/2019/04/08/arcc/
幸いにして他のBDCも連れ安ってことには今のところなってはいませんが、これからどうなるかはわかりません。
今回の件で今まで何となく高配当だから、みんなが買っているからと被弾した人もいるでしょう。加えて金融はその業界以外の人であれば、仕組みなどが難しく良くわからないケースが非常に多いです。
しっかりと自らのお金を投資・管理する時には、投資先の業界、企業のことを知ることが大切です。